2010年12月15日水曜日

旅の最初にして最大のトラブル

今夏の旅、最初の国はスペインでした。
現地でお金の引き出しをどうするか、出発前に調べていたら
「キャッシュカードの裏に"PLUS"のマークがあるものは
海外ATMで使えます」と旅行書に書いてありました。
それを鵜呑みにして、銀行に問い合わせもせずに飛び出していったのですが。

マドリッドの宿に着いた翌日、意気揚々と 銀行のATMに下ろしに行きました。
が、どうも上手くいかない。
「あんたのカードはout of serviceだよ」とつれない表示が出るばかり。
丸一日、町中のATM巡りをしても結局どこも同じでした。

手持ちの現金は、数日分の宿代・食費のみ。
んなバカな、だってカードの裏に"PLUS"って書いてあるし!
宿のご主人に相談すると、スペイン広場の裏に旅行会社JTBの
マドリッド支店があるから行ってみろ、と言うので
翌日聞きに行く事にしました。

調べた住所のビルに入ると・・・
あれ?JTBないじゃん。
フロントの守衛に訝られながら、本当はここにあるはずの11階まで上がってみると
ドアの前に張り紙がありました。

「JTB○○のオフィスは移転しました。新住所は~~~、、、」
仕方ないのでふらふら歩いて行くことに。
行き過ぎたり、戻り過ぎたりしながら辿り着いたオフィスは
古いヨーロッパ風のアパートメントで、やたら重い玄関ドアを押し開け
大理石の階段を上っていった3階にありました。

オフィスで相談に乗ってくれた人は、オフィスアワーが終わっているのに
現地の銀行や金融機関に電話して聞いてくれました。
それによると、"PLUS"マークのカードでも使えるものと使えないものがある、らしいと。
それ以上は銀行に聞いてみないと分からない、との事でした。

さー、困ったぞ(笑)
3日目になるその日も、そんなドタバタで夜を迎えてしまいました。
初夏のスペインは日が長く、22時頃ようやく暗くなってくるのです。
頭は混乱したまま宿に戻ったのは、21時を過ぎていました。
なけなしの手持ち金で買ったフランスパンとハムを、朝にかじっただけなのに
脳がハイで空腹を感じない、何となくアブナイ感じです。

また翌日。
今度は在マドリッド日本大使館にヘルプを求めに行きました。

お巡りさんに「○○(通りの名前)アッチ?」指差しながら聞くと
「ハポン?ハポン?@*&$%#}=.<~!!」とまぁ・・・。
ハポンはJAPONのスペイン語、すなわちジャパン。
通りの名前を聞いたら、大使館に行くと思われたみたいです。
なんかまっすぐ行って2個目を左、みたいなニュアンスだったような。

大使館は外壁が高く、中は見えません。
ブザーを鳴らすと・・・沈黙。
もう一度鳴らすと・・・・・・沈黙。
しつこく鳴らしまくってやると、ガチャッと鍵が開きました。

ドアを開け入っていくと、マッチョメンな用心棒が手荷物をX線でチェックします。
その後、IDカードを渡されて入館。
中は至って普通のオフィス然とした建物でした。
先客は、中年女性1人と若い夫婦。
少し待たされてから呼ばれて事情を話すと、日本からの送金方法を教えてくれました。
ブラジルのイタウ銀行が行っている、マネーグラムという送金サービスです。

日本にいる家族に、送金と同時に国際キャッシュカードの発行もお願いして
やっと旅を続けられる事となりました。

結局一人じゃなんも出来ないのか・・・と思い知らされたこの件。
そして、思ったより世界って狭いんだなー、とも。
自分の命を預けるような時は、本に書いてある事を鵜呑みにしてはいけないという
ごく当たり前の教訓も身に染みました(^^;)

書いているうちに、色々記憶が蘇ってきました。
3ユーロ(360円)で寝られる寝台列車、
ベネチアの路地裏に座り込んで、ギリシャ人(←ザル。)と安ワインを飲んだ夜、
南仏の宿のテラスでスペインの修学旅行生に囲まれたり(ウルサイ!笑)
ナポリの食堂の若旦那とメル友になったり(実はウクライナ人、パーティーではピアノ弾き語りロシア語イタリア語ドイツ語を話す)
初めて行った(そして今後も縁遠い)三ツ星レストランなどなど。

それらはまた後日。

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