2010年12月27日月曜日

秘密の宿は海に沈む

今年の6月中旬。
イタリアを旅してました。
スイスから来て、ベネチア→フィレンツェ→ナポリ→シチリア→ローマ。

シチリア島だけ、陸続きじゃないんですね。
でも行かないという選択肢はないので!
何で行こうかな、と電車の時刻表を眺めていると・・・ありました。
最終23時45分ナポリ発、翌朝シチリア着の電車。

電車でシチリア島に行く?どうやって?海底トンネル?
なんて思いながらも、出発前日に切符を買いにナポリ・チェントラーレ駅へ。
おお、窓口閉まってる。ストか何かで自動券売機しか開いてない・・・。

券売機が英語表記だったかイタリア語だったかは覚えてませんが、
(その辺、だんだんどうでも良くなってくる)
寝台車、明日夜、一人、シチリア、と検索。

、、、2等寝台は売り切れかー。
(この時は、2等車以下が安くなるフリーパスを持っていたんです)
一番安い6人掛けボックス席なら、辛うじて空いてました。窓際ゲット。
フリーパスで割引後のお値段、3ユーロ。360円!
ボロいユースホステルでも15ユーロ取られるのに(^^;)

ワクワクとドキドキとハラハラがごちゃ混ぜなカンジです。
ちゃんと予約出来てるかなー?
6人掛けの寝台ってどんなん?寝台なのに掛けって何?
そもそもコレほんとにシチリア行きで合ってんのかな?
結局、まーいっか!と。

翌日。
丸一日ナポリ市街で時間を潰し、入り浸った飯屋"Da Giovanni"(「男の子・少年」の意。怪しい?)
の旦那にエスプレッソアイスとタバコを奢ってもらい、別れの挨拶もそこそこに
駅のベンチに行って大人しく電車を待つ事にしました。

来た来た、パレルモ(シチリア島最大都市)行き。
チケットの座席番号を探すと、・・・こりゃ寝台じゃないわー。
昔の東海道線のボックスシートみたいな席があって
6人掛けで既に5人座ってます。狭そうにしながら。
すいませーん。ペルメッソ。グラッツェー。

向かいはスーツにハットの紳士、隣はイヤホンで音楽ガンガンの青年。
斜向かいの中年夫婦がちらちら見てくる。何?
暑いから窓を開けたら、走ってる電車の騒音がものすごい。閉める。
閉めると暑い。開ける。うるさっ!は~っ・・・バタン。

電車は、途中10~20分毎に駅に停まって人を下ろしていきます。
電車の通路に立っていた人たちも、家路についていったようです。
日本の通勤電車と同じなのかなー。

うちのボックスも、僕と斜交いの中年夫婦だけになりました。
何度かダンナと目が合う、目を逸らす。ちらちら。
でっかいパンを勧められたものの、何となく気乗りせず断ります。
 
アンちゃんパレルモまで? ―うん。
中国人? ―いや、日本人。

そんな感じで二言三言交わし、硬いシートに横になったのは既に2時過ぎ。
どんどん意識が落ちていく中、電車がスピードを落とし、オレンジ色の光に包まれていくのが見えました。
・・・トンネルの中?いや、停まった・・・?
窓越しに見える景色は、どうやらフェリーの中だったようです。
電車ごと船の中へ、そしてそのままシチリア島へ。

次に目覚めた時は、海岸線を少し下に見下ろしながら海沿いを走っていました。
やっぱり東海道線だ、コレ。湯河原とか根府川あたりでしょ(笑)
黒かった空は藍色に、そしてどんどん明るい青になっていきます。
うとうとしているうちに、パレルモに到着。あいたた、あんな席で寝たから体中痛いわー。
まずは今夜の宿探しからかな。観光案内所は・・・?


そんな訳で、便利なフェリー寝台・3ユーロの旅はどうでしょうか?^^)v



↑おまけ グロット・アズーロ(青の洞窟) ナポリから船を乗り継ぎ数時間!
↑ナポリ路地。看板が落ちかけてるのは映画館です、一応。
↑ナポリ美術館にて。小さい頭がいっぱい・・・
↑パレルモ到着!
↑これこれ、この青だよ!↓

↑レンタルチャリ。ペダルがたがた、タイヤすかすか、籠ボロボロだけど、これもネタ。
↑で、チャリで海岸線を走り始めると、にわか雨。狙い撃ち。
 ↑番外編、サンタンジェロ城の大道芸人。近くを観光客のおばちゃんが通ると「ワッ!」てやる(笑)

2010年12月15日水曜日

旅の最初にして最大のトラブル

今夏の旅、最初の国はスペインでした。
現地でお金の引き出しをどうするか、出発前に調べていたら
「キャッシュカードの裏に"PLUS"のマークがあるものは
海外ATMで使えます」と旅行書に書いてありました。
それを鵜呑みにして、銀行に問い合わせもせずに飛び出していったのですが。

マドリッドの宿に着いた翌日、意気揚々と 銀行のATMに下ろしに行きました。
が、どうも上手くいかない。
「あんたのカードはout of serviceだよ」とつれない表示が出るばかり。
丸一日、町中のATM巡りをしても結局どこも同じでした。

手持ちの現金は、数日分の宿代・食費のみ。
んなバカな、だってカードの裏に"PLUS"って書いてあるし!
宿のご主人に相談すると、スペイン広場の裏に旅行会社JTBの
マドリッド支店があるから行ってみろ、と言うので
翌日聞きに行く事にしました。

調べた住所のビルに入ると・・・
あれ?JTBないじゃん。
フロントの守衛に訝られながら、本当はここにあるはずの11階まで上がってみると
ドアの前に張り紙がありました。

「JTB○○のオフィスは移転しました。新住所は~~~、、、」
仕方ないのでふらふら歩いて行くことに。
行き過ぎたり、戻り過ぎたりしながら辿り着いたオフィスは
古いヨーロッパ風のアパートメントで、やたら重い玄関ドアを押し開け
大理石の階段を上っていった3階にありました。

オフィスで相談に乗ってくれた人は、オフィスアワーが終わっているのに
現地の銀行や金融機関に電話して聞いてくれました。
それによると、"PLUS"マークのカードでも使えるものと使えないものがある、らしいと。
それ以上は銀行に聞いてみないと分からない、との事でした。

さー、困ったぞ(笑)
3日目になるその日も、そんなドタバタで夜を迎えてしまいました。
初夏のスペインは日が長く、22時頃ようやく暗くなってくるのです。
頭は混乱したまま宿に戻ったのは、21時を過ぎていました。
なけなしの手持ち金で買ったフランスパンとハムを、朝にかじっただけなのに
脳がハイで空腹を感じない、何となくアブナイ感じです。

また翌日。
今度は在マドリッド日本大使館にヘルプを求めに行きました。

お巡りさんに「○○(通りの名前)アッチ?」指差しながら聞くと
「ハポン?ハポン?@*&$%#}=.<~!!」とまぁ・・・。
ハポンはJAPONのスペイン語、すなわちジャパン。
通りの名前を聞いたら、大使館に行くと思われたみたいです。
なんかまっすぐ行って2個目を左、みたいなニュアンスだったような。

大使館は外壁が高く、中は見えません。
ブザーを鳴らすと・・・沈黙。
もう一度鳴らすと・・・・・・沈黙。
しつこく鳴らしまくってやると、ガチャッと鍵が開きました。

ドアを開け入っていくと、マッチョメンな用心棒が手荷物をX線でチェックします。
その後、IDカードを渡されて入館。
中は至って普通のオフィス然とした建物でした。
先客は、中年女性1人と若い夫婦。
少し待たされてから呼ばれて事情を話すと、日本からの送金方法を教えてくれました。
ブラジルのイタウ銀行が行っている、マネーグラムという送金サービスです。

日本にいる家族に、送金と同時に国際キャッシュカードの発行もお願いして
やっと旅を続けられる事となりました。

結局一人じゃなんも出来ないのか・・・と思い知らされたこの件。
そして、思ったより世界って狭いんだなー、とも。
自分の命を預けるような時は、本に書いてある事を鵜呑みにしてはいけないという
ごく当たり前の教訓も身に染みました(^^;)

書いているうちに、色々記憶が蘇ってきました。
3ユーロ(360円)で寝られる寝台列車、
ベネチアの路地裏に座り込んで、ギリシャ人(←ザル。)と安ワインを飲んだ夜、
南仏の宿のテラスでスペインの修学旅行生に囲まれたり(ウルサイ!笑)
ナポリの食堂の若旦那とメル友になったり(実はウクライナ人、パーティーではピアノ弾き語りロシア語イタリア語ドイツ語を話す)
初めて行った(そして今後も縁遠い)三ツ星レストランなどなど。

それらはまた後日。

2010年12月6日月曜日

先週末

先週末に初雪が降りました。

といっても山が少し化粧した程度で、昼には消えてしまうのですが。

先週日曜には、ひょう混じりの雨も降りました。

地元の人曰く、今年は大雪になるかも?と・・・

なんで分かるかというと、カマキリの卵だそうです。

カマキリは卵を雪に埋もれない高さに産み付けるそうで、

その位置が今年は高いとか。

ホントにカマキリにそんな予知能力あるのかなー?